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気分障害の概要
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気分とは持続的な情緒的色調であり、悲しみから喜びまでの正常なつながりとして感じ取られるものです。誰でも喜怒哀楽といった感情を持ち合わせているのが健康な人間です。しかし、この気分が変調をきたし、日常生活に支障がでてきたり、病的になった場合を気分障害(Mood Disorder)、または感情障害といいます。気分障害の特徴は抑うつまたは上機嫌といった感情が持続することであり、重症な症例では精神病的特徴を伴います。米国精神医学会精神障害の診断・統計マニュアル(DSM-IV)では、気分障害は双極性障害とうつ病性障害(単極性障害)に分類されています。
うつ病性障害というのは、気分が落ち込む「抑うつ気分」や何をしても興味が持てない「興味や楽しみの喪失」のために非常な苦痛を感じたり日常生活に支障が生じている状態です。誰しも、こうした気分の落ち込みや意欲の減退はありますが、たいていしばらくすると元に戻り、立ち直ります。この状態がしばらく続くような場合、それを「うつ状態」と呼びます。 典型的な内因性のうつ病では、抑うつ的な気分は午前中にひどく、夕方以降に軽快してくるといった「日内変動」がよく見られます。ストレスによる一過性(心因性)のうつ病や神経症性のうつ病では、夕方以降具合が悪くなったりイライラが強まったりする傾向があるようです。また睡眠障害を伴うことが多く、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒のいずれもみられますが、最も多いのは早朝覚醒です。その他、体重の減少や頭痛、便秘などのほか自律神経症状を訴えることも多く、身体症状の背後に抑うつ症状が隠れてしまうケースもあり、これを仮面うつ病と呼んだりします。 典型的には義務感や責任感が強く、まじめな人がなりやすいと言われています。そのため本人は、うつ状態であることを周囲に申し訳ないと感じていることが多く、周囲からの励ましなどがあっても、元気になれない自分に対し「みんなの期待に添えない」などと余計負担に感じてしまいます。気分転換にカラオケやスポーツなどに誘うことなども逆効果なことが多く、元気がないときに「まわりに悪いから」と無理に元気な作り笑顔で振る舞ったりしてしまいがちで(とくに微笑みうつ病)、病状を悪化させかねません。ただでさえ心のエネルギーが欠乏している状態で無理をすると必ずといっていいほど、その余波(リバウンド)として一層の無力感に苛まれてしまいます。抗うつ剤などで一時的に元気になったときなども同様で、あまりテンションを上げ過ぎず、抑えることが早く良くなる秘訣です。
しかし現在では、躁状態とうつ状態の二つの極端な気分の波が現れてくることから、その症状をより正確に表現するために「双極性」障害と呼ぶようになりました。躁あるいはうつ病相を交代的あるいは周期的に繰り返すのですが、一般に各病相間は正常な状態に回復することが多いようです。双極性障害の出現頻度は単極性障害(うつ病)よりはるかに低く、人口の0.5〜5%程度であると言われています。双極性障害は抗うつ剤だけでなく主に気分安定剤などの薬物療法によって治療します。 |
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うつ病相、 |
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| 躁病相、 躁状態 の特徴 |
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うつ病(大うつ病)の診断基準
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精神障害の診断・統計マニュアル<DSM-IV >(米国精神医学会)
A.以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている:これらの症状のうち少なくとも1つは(1)抑うつ気分または(2)興味または喜びの喪失である。
C.症状は臨床的に著しい苦痛または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。 D.症状は、物質(例:乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(例:甲状腺機能低下症)によるものではない。 E.症状は死別反応ではうまく説明されない。すなわち、愛するものを失った後、症状が2ヶ月を超えて続くか、または、著明な機能不全、無価値観への病的なとらわれ、自殺念虜、精神病性の症状、精神運動制止があることで特徴づけられる。
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躁病(エピソード)の診断基準
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| 精神障害の診断・統計マニュアル<DSM-IV >(米国精神医学会)
A.気分が異常かつ持続的に高揚し、開放的または易怒的ないつもとは異なった期間が、少なくとも1週間持続する(入院治療が必要な場合はいかなる期間でもよい)。
D.気分の障害は、職業的機能や日常の社会活動または他者との人間関係に著しい障害を起こすほど、または自己または他者を傷つけるのを防ぐため入院が必要であるほど重篤であるか、または精神病性の特徴が存在する。 E.症状は物質(例:乱用薬物、投薬、あるいは他の治療)の直接的な生理学的作用や一般身体疾患(例:甲状腺機能低下症)によるものではない。 注:身体的な抗うつ治療(例:投薬。電気けいれん療法、光療法)によって明らかに引き起こされた躁病様のエピソードは、双極I型障害の診断に数え上げるべきではない。 |
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気分変調障害(軽症うつ病)の診断基準
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精神障害の診断・統計マニュアル<DSM-IV
>(米国精神医学会)
A.抑うつ気分がほとんど1日中存在し、それのない日よりもある日の方が
多く、その人自身の言明または他者の観察によって示され、少なくとも2年間続いている。
注:小児や青年ではいらいら感であることもあり、また期間は少なくとも1年間はなければならない。 B.抑うつの間、以下のうち2つ(またはそれ以上)が存在すること:
D.この障害の最初の2年間は(小児や青年については1年間)、大うつ病エピソードが存在したことがない:すなわち、障害は慢性の大うつ病性障害または大うつ病性障害、部分寛解ではうまく説明されない。 注:気分変調性障害が発現する前に完全寛解しているならば(2ヶ月間、著明な徴候や症状がない)、以前に大うつ病エピソードがあってもよい。さらに、気分変調性障害の最初の2年間(小児や青年については1年間)の後、大うつ病性障害のエピソードが重畳していることもあり、この場合、大うつ病エピソードの基準を満たしていれば、両方の診断が与えられる。 E.躁病エピソード、混合性エピソード、あるいは軽躁病エピソードがあったことはなく、また気分循環性障害の基準を満たしたこともない。 F.障害は、精神分裂病や妄想性障害のような慢性の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではない。 G.症状は物質(例えば、乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用や、一般身体疾患(例えば、甲状腺機能低下症)によるものではない。 H.症状は臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。 |
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