友を失うこと


 いま私に親友と呼べる友達は、中学の同級生が1人、高校の同級生が2人、大学の先輩が1人、後輩が1人だけになってしまいました。その中でも、気軽に電話をかけて話せるのは2人だけ。高校時代も、大学時代も、社会人になってから占い師をやっていたときも、一気に数十人と友達になりましたが、誰一人とその中からは親友は誕生しませんでした。みんな何かを期待して、あるいは私になにか特別なものを感じて近寄ってきたようでしたが、結局私がその幻想を満たしてあげられる存在ではないと知るやいなや、みんなあれよあれよと遠ざかっていきました。

  去っていっていく友はそれだけの友です。もちろん、私にもなんらかの落ち度があったのかもしれません。でも、本当の友は、たとえ何があっても私のもとを去ることを選ばず、ずっとそばに居続けてくれました。なかには、私から遠ざかること、距離を置くことが優しさだと考えてくれた友達もいたかもしれません。でも、私はそんな友達には感謝はしていません。結局、自分が不利になったり、傷ついたりしてまで、一緒にいたくないという損得勘定だけで私とつきあっていたにすぎなかったはずだからです。

 いま私が感謝してもしてもし尽くせないのは、こんなにいろんな経験をしてきた私でも、決して離れていくことのなかった親友の数人に対してです。そして、私を愛してくれている両親や妻に対してです。この人たちだけには、素の自分を出せるし、またごめんなさい、ありがとう、とこころから思うことができるのです。

 とかく自尊心が低く、見捨てられ不安に駆られやすいBPDですが、世間の多くの人はあなたを見捨てているのでは決してなくて、あなたが無意識に自分のことを大切だと思うように、世間の人たちも無意識に自分のことが一番大切なのです。それを責めてみてもむなしいだけです。大きな期待をすると失うものもそれに比例して大きくなります。ただ、そういう性質を人間は持っているということだけ自覚していれば大きな失望にうちひしがれることが少なくなると思います。


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